鬼門

やだい　やだい！
そっちのみちにはいきたくないんだい！
けしきをみるんだい！

独白

*ひとつだけ、勘違いしないでほしい。
それは、私が、景色を楽しむようなこころすら持ち合わせていないような、つまらない女などではないということだ。

橋の上から、はるか下を流れる川の流れに目を奪われたり、
どこまでも広がる稲の海をガードレールの下から飽くことなくながめ続けたり。

そういう景色を見ながら、なにか高尚なことを考えるのだ。
意外に思うかもしれないが、私にだっていろいろ考えることもあるのだ。

たとえば、「そっちの道には行きたくない」とか…

たそがれマアト

*前回までのあらすじ
散歩中、なんとなく行きたくない気がする道へと連れ込まれそうになり、
必死に抵抗を試みるマアト。
しかし、マアトの意思に反して望まぬ道へと無理やり引きづり込まれるのであった。




たそがれている…ふりをしています。
ほんとは景色なんてどうでもいいんです。
でもじっくりと景色をながめています。
…なぜなら、そっちの道には行きたくないから…

抵抗

訳「いやじゃ、いやじゃ！
そっちの道には行きとうない！」

分身の術

ぺったり眠るマアト……？




ちがいます。
これは散髪後のマアトの抜け殻でした。
だまされた？

だまされませんでしたか。そうですか。